> お墓・墓地・霊園を買う前に知っておきたい5つのこと!

お墓・墓地・霊園を買う前に知っておきたい5つのこと!

お墓は一度買うと自分の一生、さらにはまごこの代まで永代にわたりお世話になる大きな買い物です。 また、遺された家族や友人たちにとっての癒しや心のよりどころとなる場所でもあり、 人が一生を終えてから、その一生よりもはるかに長い時間眠る大切な施設とも言えます。

今回は、お墓の購入であとから「しまった」と後悔することのないように、お墓・墓地・霊園を買う前に知っておきたいことを書いてみました。

1)形態/宗教

お墓参りのイメージ

「霊園」「公園墓地」などの呼び名は、主にそのお墓の形態を表しますが、法律用語ではなく、法律上(注1)は「墓地」が定義されています。 でも、世間で、たとえばお墓を買う時などに使われている用法とは微妙に違うので、ここでは、一般的な用語としての墓地、霊園、公園墓地について説明します。

  1. 墓地  一般的には小規模なお墓で寺院墓地や共同墓地を指す場合が多い
  2. 霊園  宗教不問の中規模から大規模な墓地
  3. 公園墓地  大規模な霊園で公園のように緑地や施設が配置された墓地

一般的には、宗教不問でデザインなど気にする場合は霊園や公園墓地、各宗派の檀家を希望する場合などには寺墓地を選ぶ必要があります。

霊園や公園墓地では最近は欧風のしゃれたデザインの施設が増えているいずれにしてもお墓は末永く利用するものだから実際に現地へ行って目で確かめることが大切。 区画は当然人気のあるものから売れていきますから、良さそうな霊園があったら早めに見に行くことをお勧めします。

首都圏最大級の公園墓地 牛久浄苑
首都圏最大級の公園墓地 「牛久浄苑」
世界最大の牛久大仏を擁する巨大な施設
霊園ガイドでは「牛久浄苑」の墓地も見学予約できます

※霊園ガイドでは扱っているお墓を寺墓地も含めて便宜的にすべて「霊園」と呼ぶ場合があります。

 

2)距離

お墓参りは、もしできるなら行きたいときにすぐ行ける場所が良いですね。

日本ではお盆になると一斉に故郷の実家へ帰り先祖代々のお墓にお参りするという風習が根強くありましたが、 戦後、都会へ人口集中と定着とともに、お参りのしやすい自宅の近くへお墓を引っ越す傾向が続いていて、 都市近郊の墓地不足から何度かブームが繰り返されてきました。

今年はコロナで帰省もままならず、お墓参りのしやすい近場に移したいという声をよく耳にしました。

霊園ガイドでは自分の調べたい住所から霊園までの距離や時間などさまざまな検索で確認できます。

駅から歩ける霊園特集
「駅から歩ける霊園 特集」ページでは
駅からのルート、距離、所要時間などを
カンタンに確認できます

 

3)お墓の継承

【旧来】

古くはお墓は長男が継ぎ、次男三男は分家初代として新しい墓地を作るのが一般的で 明治の旧民法では、家督を相続する一般的には長男が、お墓や仏壇などの祭祀(さいし)を承継するものでした。

【現在】

現行の民法では話し合いで決めたり、生前に遺言または家庭裁判所で定めるようになりました。(注2) 女性でも親族でもかまいません。 一般的なお墓では承継者は「親族(〇親等まで)」などと定められていますので、 遺されたご家族で相談しだれが承継するかを決めて霊園の管理事務所へ申請します。

最近は、少子化や継承者のない世帯の進行とともに、将来の墓守の心配のない永代供養付きのお墓も増えています。

4)準備/行政書類

お墓にお遺骨を埋葬するには行政上の手続きが必要になります。 行政上は故人が亡くなってから最初の「埋葬」と 一度お墓や納骨堂へ「埋葬/収蔵」したあとに再度お墓を引っ越すなどして移動して埋葬する「改葬」、 お遺骨を分けて別のお墓へ移す「分骨」の3つがあり、それぞれ手順が異なります。

なお埋葬の場合は、被保険者が亡くなったときに自治体の窓口で数万円~10万円程度の「埋葬料・葬祭費」等が受け取れますので忘れずに確認してみましょう。

埋葬の場合

  
  1. 自治体へ死亡届
  2. 火葬許可証を受取り火葬場へ提出
  3. 火葬場で印を押された火葬許可証が埋葬許可証となる
  4. 墓地管理事務所へ提出
  5. これ以降→工事→埋葬法要

改葬(お墓の引越し)の場合

  1. 新しい改葬先の墓地管理者から受け入れ証明を受取る
  2. 現在お遺骨のある墓地から埋収蔵証明を受取る
  3. 現在お遺骨のある自治体へ上記証明とともに改葬許可申請/許可証を申請する
  4. 改葬許可証を受取る
  5. 墓地管理事務所へ提出
  6. これ以降→工事→埋葬法要
 

分骨(お遺骨を分ける)の場合

  1. 火葬場か現在お遺骨のある墓地で分骨証明を受取る
  2. 墓地管理事務所へ提出
  3. これ以降→工事→埋葬法要

※埋葬、改葬の書類や手続きは、各自治体によって異なる場合がありますので、実際に書類を集めるときは、自治体か、墓地の管理事務所へ確認してください。
 

5)お墓の税金

お墓は祭祀の財産になりますが相続税法第12条の非課税財産に該当します。 つまり相続財産には含まれないので相続税の対象にはなりません。

その意味ではお金で残せば相続税がかかりますから、自分の代で生前にお墓を作っておけばその分は相続税を減らすことができます。

もちろん、税は個人の事情が異なりますから税理士や会計士などに相談するのが適切です。

  • 注1 『墓地、埋葬等に関する法律』:第一章第二条5 この法律で「墓地」とは、墳墓を設けるために、墓地として都道府県知事(市又は特別区にあつては、市長又は区長。以下同じ。)の許可を受けた区域をいう。
  • 注2 『民法』: 1) 系譜、祭具及び墳墓の所有権は、前条の規定にかかわらず、慣習に従って祖先の祭祀を主宰すべき者が承継する。ただし、被相続人の指定に従って祖先の祭祀を主宰すべき者があるときは、その者が承継する。 2) 前項本文の場合において慣習が明らかでないときは、同項の権利を承継すべき者は、家庭裁判所が定める。