お墓は一度買うと自分の一生、さらにはまごこの代まで永代にわたりお世話になる大きな買い物です。 また、遺された家族や友人たちにとっての癒しや心のよりどころとなる場所でもあり、 人が一生を終えてから、その一生よりもはるかに長い時間眠る大切な施設とも言えます。
今回は、お墓の購入であとから「しまった」と後悔することのないように、お墓・墓地・霊園を買う前に知っておきたいことを書いてみました。
「霊園」「公園墓地」などの呼び名は、主にそのお墓の形態を表しますが、法律用語ではなく、法律上(注1)は「墓地」が定義されています。 でも、世間で、たとえばお墓を買う時などに使われている用法とは微妙に違うので、ここでは、一般的な用語としての墓地、霊園、公園墓地について説明します。
一般的には、宗教不問でデザインなど気にする場合は霊園や公園墓地、各宗派の檀家を希望する場合などには寺墓地を選ぶ必要があります。
霊園や公園墓地では最近は欧風のしゃれたデザインの施設が増えているいずれにしてもお墓は末永く利用するものだから実際に現地へ行って目で確かめることが大切。 区画は当然人気のあるものから売れていきますから、良さそうな霊園があったら早めに見に行くことをお勧めします。
※霊園ガイドでは扱っているお墓を寺墓地も含めて便宜的にすべて「霊園」と呼ぶ場合があります。
【旧来】
古くはお墓は長男が継ぎ、次男三男は分家初代として新しい墓地を作るのが一般的で 明治の旧民法では、家督を相続する一般的には長男が、お墓や仏壇などの祭祀(さいし)を承継するものでした。
【現在】
現行の民法では話し合いで決めたり、生前に遺言または家庭裁判所で定めるようになりました。(注2) 女性でも親族でもかまいません。 一般的なお墓では承継者は「親族(〇親等まで)」などと定められていますので、 遺されたご家族で相談しだれが承継するかを決めて霊園の管理事務所へ申請します。
最近は、少子化や継承者のない世帯の進行とともに、将来の墓守の心配のない永代供養付きのお墓も増えています。
お墓にお遺骨を埋葬するには行政上の手続きが必要になります。 行政上は故人が亡くなってから最初の「埋葬」と 一度お墓や納骨堂へ「埋葬/収蔵」したあとに再度お墓を引っ越すなどして移動して埋葬する「改葬」、 お遺骨を分けて別のお墓へ移す「分骨」の3つがあり、それぞれ手順が異なります。
なお埋葬の場合は、被保険者が亡くなったときに自治体の窓口で数万円~10万円程度の「埋葬料・葬祭費」等が受け取れますので忘れずに確認してみましょう。
埋葬の場合
改葬(お墓の引越し)の場合
分骨(お遺骨を分ける)の場合